MHP2G
その者は待つ。
いまだ朝霧の濃く煙る、色のない木々の大海で。
足音を潜め呼吸を殺す、心無い影の狩人。
ゆらり揺らぐ、紅の灯し火は二つ。
その者は行く。
幾度も脳裏へめぐり来る、怖れと戸惑いを振り払い。
得物を抜き低く構える、揺ぎ無い眼差しの狩人。
彼が奉ずるその剣の、儚い輝きは一つ。
彼らは感じる。
新たな獲物の訪れを、さらなる強敵の存在を。
己がうちに湧き起こる、抑えがたい鼓動の高鳴りを。
この先に続く、まだ見ぬ世界の広がりを。
そして、不意にきらめく光。
この日も変わらず訪れる、森の目覚めのその瞬間。
日が射せば霧は溶け、空は青く、花は赤く、息づく緑はどこまでも深く。
囲むすべてに見守られ、持てるすべてをそこに懸け。
再び今、狩人たちは相対す―――。
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